YUTRICK(ゆとり短歌企画)

ゆとり歌人にスポットを当てる企画を考えていきます。目指せフリーペーパー創刊。管理人:なべとびすこ&深川青

YUTRICK TOKYO初日レポート

3月19〜20日に2日にわたって開催されたYUTRICK TOKYO
たくさんの方に参加いただき、大盛況となりました。
参加された皆さまの作品とともにレポートしていきたいと思います。
 
まず、初日のYUTREAD
 
課題は
自分の好きな本(小説、エッセイ、漫画、絵本、歌集、雑誌など)にちなんだ短歌を一首詠んでください。感想を短歌にしても、主人公のイメージを短歌にしても、本のテーマから連想した短歌を作ってもかまいません!
 
というもので、事前に短歌を詠んでいただき、当日は合評を行いました。
 
参加者は運営を含めて12人でしたが、歌会デビューの方が9人…!
たくさんのかたの歌会デビューを後押しできて、非常に嬉しかったです。
 
 
当日の詠草です。
(短歌/作者名
 『(短歌の元となった本)』本の作者名)
 
 
解り合えないことだけを分かち合い苦しいままで続く歌声/深川青
『孤独の歌声』天童荒太
 
 
もう何も伝えられない寂しさの中で傷んだ髪を揺らした/坂本樹
<harmony/>伊藤計劃
 
 
まなざしが孕む秘密をそっと蒔き花を殺してひとりの水葬ゆきやなぎなぎ子
『ウォールフラワー』スティーブン チョボスキー 
 
 
胃のかたち知るため流し込むビール私以外私じゃないの(かな?)/六
ボディアンドソウル古川日出男
 
 
15歳だった少女はいくつだろう 25年が過ぎたいまでは/中はしっとり
ことわ朝吹真理子
 
 
枯れ葉降る広場の椅子に待っているあなたがわたしの友なのですか/荻森美帆
萩原朔太郎詩集』(岩波文庫
 
 
慈雨のごと同情染み入る下宿屋の愛に飢えたる君の死に顔/なつくら
『こころ』夏目漱石
 
 
挟まれた栞の場所は変わらずにあの日を閉じ込めまた次の春へ/桜望子
『また次の春へ』重松清
 
 
この町の誰もがみんな現実のヤスリで丸くなるのだ。彼も、/なべとびすこ
『ここは退屈迎えに来て』山内マリコ
 
 
蕾そのひとつひとつに色があり守っていることの美しさ/稲垣三鷹 
マチルダは小さな大天才ロアルド・ダール
 
 
苦扁桃の香りによって灰色はロールシャッハカードに戻る尾鷲明希 
ジキル博士とハイド氏ロバート・ルイス・スティーヴンソン
 
 
理不尽を焼き尽くしてーでもうちのコンロはIHだから無理/前田沙耶子
『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子
 
 
以上12首です。参加者の皆さまありがとうございました!!
 
 
そして、そのあとは短歌カードゲーム「うたいちもんめ」で遊びました。
 
今回できた中で好評だった歌をいくつか紹介します。
 
待ちたまえルパン三世なんて日だ脱兎のごとく行ってしまった
 
完全にコナン君かも待ちたまえそうと決まればざんぎり頭
 
やむを得ず木村拓哉とフラダンス抑えきれずに巡りめぐって
 
などです。
 
文脈が奇跡的に通ることもあれば、文章的には間違っていても、それが味になったりと、色々な短歌が生まれました。
 
 
そして、場所を移動し、新たな参加者も加わってゆとり短歌懇親会を行いました!
 
短歌を始めたきっかけや筆名の由来などの真面目な話題から、兄弟の話やどんな結婚式を挙げたいかなど、本当にいろんなことを楽しく語れてよかったです。
 
そんな感じで YUTRICK TOKYO初日は無事終了しましたー。
二日目のレポートももう少し待ってください…!
よろしくお願いします!